近況報告10月1日〜

10月31日(土)
自治研究集会分科会で尼崎市における公契約条例の取り組み経過を報告する尼崎市議。
残念ながら条例案は22対20で否決された。
 今日は彦根市で開催された2009滋賀地方自治研究集会に参加する。テーマは「持続可能な地域づくり(質の高い公共サービスの実現をめざして)」である。
 基調講演の講師はNPO法人「地域おこしに燃える人の会」理事長関幸子さんで人口減少時代に公務員の果たす役割などについて講演された。
 その後、3つの分科会が行われ、私は「公契約条例の制定と公正労働基準の確立」をテーマとした分科会に参加した。
 政権交代によって国の仕組みも大きく転換しようとしているが、一番に変わる、あるいは変わらなければならないのが地方であると思う。
 今回の政権交代の意味はまさしく政治の光を一人一人の人間にあてることであり、「コンクリートから人へ」あるいは「友愛社会」などの意味はここにある。
 それならば、非常勤職などの官製ワーキングプアーを作り出している地方自治体の実態や公共工事などの現場で低賃金の労働者を使っている仕組みを変えなければならない。
 これまで最小の効果で最大の効果といううたい文句のもと、低価格での公共事業発注を許してきたが、これらを見直して、公契約条例などの制定によって公共サービスで働く労働者の賃金補償をしっかりしなければならないと思う。役所の仕組みが変わらなければ社会の仕組みも当然変わっていかない。


10月29日(木)
 今日は午前中、市役所はじめ関係機関で要望事項の整理、そして午後は県庁で関係課の意見聴取ということで終日過ごしました。三日間、県外へ出ていますと結構仕事がたまってしまいます。
 さて、国会の所信表明、そして各党の代表質問もほぼ終わり、与野党対決の第一弾から、これから新年度予算がどう落ち着いていくのかが注目されます。
 無駄をどこまで削れるのか、マニフェストがどこまで実現されるのか、国民のみなさんの関心も高まっています。
 いずれにせよ、どこかで決断を下さなければなりませんが、マニフェストの一部変更や先送りをするにしても、国民のみなさんへの説明と納得を得ることが重要です。
 大多数の有権者の思いを大切にしながら、子ども手当や農家への戸別所得補償などはしっかり実現への道筋を示してほしいと思います。


10月28日(水)
青森県庁で中小企業振興条例の制定経過ならびに実施報告について担当職員の方に質問する。
 月曜日から3日間、会派研修のため近況報告ができませんでした。まとめて報告いたします。
 一日目の月曜日は農水省政務官から農家の戸別所得補償制度に関するモデル対策について聴取しました。マニフェストにうたわれたこの制度については23年度からの実施予定ですが、22年度にモデル対策として水田作に着目して実施される予定です。また調査事業も併せて行われる予定。生産に要する費用と販売価格の平均をどうとらえるかなど今後の課題も多いのですが、食料自給率の向上のためにも完成度の高い制度としてほしいと思います。
 この後、杉並区の和田中学校を訪問し、今話題となっている「夜スぺ」について調査しました。これは私塾と提携して「もっと学びたい」と希望するすべての生徒に対して多様な学びを提供するもので、これを支えるのが大学生ボランティア、在校生や卒業生の保護者、地域住民の方々などによって作られている地域本部です。
 具体的には月水金の夜と土曜日に私塾講師が3年生の希望者を対象に中学校の教室で授業をするもので、ちなみに受講料は月額2万4千円です。
 これ以外に地域本部が実施しているものに1年生対象の土曜寺子屋(ドテラ)、2年生対象の英語sコースなどがあります。いろんな考えがあるかもしれませんが、公立中学校で柔軟にこうした多様な学びの機会を提供し、結果として学力向上という成果を上げていることは注目すべきことと思います。
 2日目の火曜日は東京都庁で公会計制度について調査しました。これは従来の官庁会計に複式簿記、発生主義会計の考えを加えた会計制度で総務省もモデルを示していますが、東京都では独自に制度を作っています。
 こうした取り組みにより財政の健全度が一目でわかるようになり、基金の積み立てや公共施設の改修計画、債権管理、予算への繁栄とつながっていきます。
 3日目の今日は青森県庁で19年度に議員提案で制定された中小企業振興条例や医師確保対策を調査しました。中小企業振興条例は県議会・民主党県民ネットワークでもマニフェストに掲げており、この2年半積極的に特別委員会などで制定に向けた取り組みをしましたが、いまだ会派間の合意を得られていません。しかし、経済危機に見舞われている今こそ、この条例の制定を起爆剤にして滋賀県の中小企業を元気にしていきたいと思います。こうした研修の成果は今後の滋賀県政に大いに反映していきます。


10月25日(日)
「水田アート」の収穫祭で私も稲刈り体験をさせていただきました。
 先般、この近況報告でもご紹介した「水田アート」の収穫祭(水茎夢の郷委員会主催)がおこなわれ、私もお手伝いに行ってきました。子どもたちもたくさん参加し、稲刈り、脱穀、精米などを体験し、そのあとは「いも煮」や新米のおにぎりなどをいただきました。
 子どもたちの体験活動として「うみのこ」「やまのこ」「田んぼの学校」などがありますが、「水田アート」という、いわば芸術活動を通して農を学ぶ機会はあまりありません。これからもこうした輪が広がることを祈ります。
 午後からは、「スペシャルオリンピックスの輪を広げる集い」に参加し、日本の会長である三井嬉子さんの講演をお聞きしました。
 パラリンピックはよく知られていますが、スペシャルオリンピックスはまだ知名度はないかもしれません。これは知的発達障害の皆さんによるスポーツの祭典ですが、大会もさることながら練習の過程で知的発達障害を持つ方々と健常者が触れ合うことを重視しているのが素晴らしいと思います。
 知的発達障害を持っているみなさんの誠実さや忍耐強さは健常者も学ぶところが多いと思います。こうしたふれあいの中でみんながそれぞれの能力や人間性を向上させていくことにより、友愛の社会が築いていけるのではないか、そんなことを思いながら講演を拝聴しました。


10月24日(土)
 「公契約条例」を皆さんはご存じだろうか。今日、あるテレビ番組で特集で報じられていたが、要は公共事業などの発注でそこで働く人の賃金を一定以上保障するなどの仕組みを定める条例である。最近、千葉県野田市で制定され、今後積極的に取り組まれていく。
 昨今、たたき合いという表現で公共事業の低価格での落札が行われているが、その現場で働く人にしわ寄せが行っては社会は良くならない。
 また、タクシー業界などで規制緩和による価格破棄が起こって、利用者も歓迎しているが、一方、現場で働く人の労働条件は悪化している。当然そのことにより安全という大切なものを失う可能性も出てくる。
 つまり、自由経済主義や市場第一主義といった考えは結局、まわりまわって社会を疲弊させてしまうことになる。
 こうしたことを防ぐためにも「公契約条例」などのルールを社会に定着させていくのが「公」の役割であり、そのために率先して行動していく必要がある。
 こうした行動は社会の秩序形成や生活安定につながっていくものと考える。
 公共サービスの安易な委託や低価格での契約はサービスを受ける住民にとって大きなマイナスも予想される。
 もちろん、行政の責務として「最小の経費で最大の効果を上げる」ことが求められるが、コントロールを失えばこの言葉通りのサービスは提供できない。
 公共サービスの周辺で働く人々が直営であれ、民間委託であれ、幸せにならなければ公共サービスの提供を受ける住民の皆さんも幸せになれない、と私は思う。


10月23日(金)
訪問した信楽学園のオブジェ。ここでは現在40名あまりの知的障害のある子どもたちが寮で生活しながら陶芸を学んでいる。公募による指定管理が検討されているが、果たしてそれでよいのか。障がい者福祉の体系は目指すべき姿をしっかり描かないといけないと思うが・・・
 今日は民主党・県民ネットワークで県立社会福祉施設の視察を行う。現在、県立の社会福祉施設については廃止、民間委託などの専門委員会での検討結果が出ており、当局も一定の方向性を示すことになっている。
 中には老朽化が進んでいる施設もあり、民間に譲渡するとしても施設の再整備の費用をどうするかなどの問題点もある。
 高齢者、生活保護、障がい者などの施設が対象であるが、やはり施設の性質上直営を堅持すべきものはたとえ不採算であっても堅持すべきであると思う。
 公共サービスの使命というものを改めて考えるべきであり、このことに対する納税者の理解、納得を得るための説明をしっかりすべきだと思う。
 何でもかんでも指定管理者に任せる、民間に譲渡するというのは行政の責務を放棄することにもなりかねない。


10月22日(木)
 今日は決算委員会で総括的質疑質問が行われ、すべての決算の議案については可決されました。
 今日の質疑ではわが会派から中沢議員が質問にたち、ワークライフバランスの推進、ならびに決算の総括、医師不足対策、下水道事業、スポーツ振興などについて取り上げました。
 ワークライフバランスについては県議会でも決議書の採択などがされましたが、実行する施策がなければ絵にかいたモチになります、この点を指摘し、時間外勤務の削減など県の取り組みも含め問題点を指摘しました。
 先般の経営対策委員会で男女共同参画センターの廃止、ピアザ淡海への移転が提言されましたが、男女共同参画事業の拠点を無くすわけにはいきません。この場所には近江八幡市の思いもいっぱい詰まっています。引き続き存続させて、事業の継続を訴えていきたいと思います。


10月19日(月)
 昨日、総選挙後初の地方議員選挙投票が東近江市、甲賀市、米原市、野洲市で行われた。
 民主党の公認候補や推薦候補については全員当選とはいかなかったが、地域の地縁血縁などが重視される市議選ではやむを得ないのかもしれない。
 反省点も残ったが、当選された仲間たちの活躍を大いに期待する。
今日は決算特別委員会の3日目で商工観光労働部、健康福祉部、病院事業庁、県警本部の決算審査が行われた。
 特に、今日は放課後児童クラブやシルバー人材センターの運営補助金について質問する。放課後児童クラブについては公設民営のものからボランティアなどで運営されている小規模のものまで様々あるが、すべて必要なものであり、しっかり実態を把握したうえで、広く行政の光をあててほしい。
 シルバー人材センターについては市の補助金などが削減される中で国などの補助金も減少し、苦しい運営を強いられている。なおかつ、発注される仕事量も減り、会員からは登録しても仕事がないとの声も聞かれる。
 公的機関は当然のことながら、民間企業もその存立意義に注目して協力を期待したい。


10月18日(日)
2009滋賀県介護集会で熱弁をふるう樋口恵子さん。
 今日は大津市で開催された2009滋賀県介護集会に参加する。
基調講演はNPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長であり、元東京家政大学教授である樋口恵子さんで、テーマは「介護する人が幸せでなければ、介護される人も幸せになれない」である。
 樋口さんは介護保険制度発足の中心メンバーであり、介護を社会全体で支えることや介護職員の処遇改善を訴えてこられた。
 2時間にわたって熱弁をふるわれ、これからの社会における介護の課題や政権党となった民主党がすべきことなどに大きな示唆をいただいた。
 介護職員の皆さんにとっても大きなアドバイスになったことと思う。
老老介護から認認介護(認知症の人が認知症の人を介護)となっている現状、同時多発介護による多重介護などの現状を踏まえ、これからの介護を考えるヒントをたくさんいただいた。
 一億総介護時代が始まり、在宅介護を進めるだけでは解決しない。継続性や個性を重視した介護サービスの必要性はうなずける。社会全体で介護を支える仕組みづくりが急がれる。
 さて、講演の最後で出てきた「介護しない男は人間にあらず」という言葉は果たして厳しすぎる表現か。みんなでしっかり考えてみよう。


10月16日(金)
 今日は決算特別委員会の二日目。県民文化生活部、琵琶湖環境部、そして企業庁の所管部分について審査する。
 県民文化生活部においては消費生活相談員の待遇改善について提言するとともに、男女共同参画センターの図書室の利用者が減少傾向にあることを指摘する。
 男女共同参画センターの図書室については財政上の問題から図書購入費が削減され、また専門の図書館司書も減らされている。こうして数字ではっきりあらわれている以上、何らかの対応が必要である。
 男女共同参画センターについては経営改革委員会の提言で老朽化に伴い廃止してピアザ淡海に移転する案が示されている。
 しかし、近江八幡市に誘致された経緯もあるし、この中央の位置において多くの県民から愛され、滋賀県の男女共同参画事業をけん引してきた長い歴史もある。
 こうした対応については関係者の意見も十分に聞きながら、間違いのない判断をしなければならない。


10月15日(木)
 今日から決算委員会が始まる。昨日の予告通り、委員会の冒頭に不適正会計処理の報告があり、委員からは質問や意見が相次いだ。
 私的流用や預けなどの不正はなかったのであるが、年度マタギといって前年度の不用額で新年度の物品購入などの予算執行をしたり、新年度へ支払いを送ったりという例が多くあったようだ。400万円余りは管理職が全体責任で返却するなど、職員の処分も含めて対応がされたのであるが、大切なのは再発防止である。
 こうした事例が起こる都度に提案しているのであるが、私は組織の中にコンプライアンスマネージャーのような組織や人を配置すべきだと思う。特に法律の専門家である弁護士などを外部から非常勤特別職として招へいすれば、部局横断的な対応もできるし、公益通報制度も充実する。人材も弁護士会などに依頼すれば、今の時代は確保できるはずである。
 このことは本会議でも提案したが、いまだ実現はしない。本来、地方自治法上、人事、監査、会計管理などの役割を担う部署はあるのであるが、身内同士ではけん制機能も働かないことが多い。だからこうした事例がいつもでもなくならないのである。
 組織の大きさからいえば決して対応できない役職ではないので、これからぜひとも前向きに検討してほしい。


10月14日(水)
 午前中、市内の市道改良や交差点改良について自治会役員の皆さんと現地視察をする。
 信号の設置状況や歩道の整備状況をみると危険個所があまりにも多いことにびっくりしてしまう。とても安心安全とは言い難い。
 特に、市街化区域で都市計画税を負担していながら都市基盤整備が一向に進んでいないのは納得できないという言葉が出るのも当然だろう。
 午後からは、さっそく市役所など関係機関と対応策を検討する。
 夜は近隣市の市議選の個人演説会の応援に行く。民主党の公認・推薦候補の健闘を心からお祈りしたい。
 明日からはいよいよ決算委員会が始まる。新聞報道されたように会計年度をまたいだ不適正な支出などにより国の補助金の返還の可能性もあり、知事が謝罪会見をされた。
 この事案が決算委員会の冒頭の課題になることは間違いない。


10月12日(月)
 昨日、東近江市、甲賀市、野洲市、米原市の4市で市議選が始まりました。総選挙後、滋賀における初めての地方選挙となります。いずれも合併後の2回目の選挙であり、現職議員は合併による成果を問われる選挙かもしれません。
 私たちとしては民主党の公認や推薦の候補者がどのような戦いをするのか注目しています。
 今日は私も組織内候補などの応援にいきました。市議選は有権者の皆さんにとっても地域の代表を選ぶという傾向が強く、政策論議などは後回しになりがちです。
 しかし、これからは首町と議会が2元代表制をしっかり機能させて地方分権をしっかり推し進めていかねばなりません。
 こうした議論をしっかりできる議員をぜひ選んでいただきたいと思います。


10月11日(日)
近江兄弟社学園礼拝堂で開催されたシンポジウムの様子。(携帯で撮ったので暗くなってしまいました。)ちなみに礼拝堂のガラスの向こうに見える八幡の風景は絶景でした。
 先日の台風による荒天がうそのように、今日は秋空が広がった日曜日でした。
早朝から三か所の運動会に激励にうかがい、午後からは「兄弟(ひと)をつなぎ、都市(まち)をつくる」と題したヴォーリズ氏の建築などにおける業績をたたえるシンポジウムに参加しました。大阪芸術大学山形教授の講演につづき、大学教授、建築家、市民運動家などゆかりのある人たちによってヴォーリズ氏にまつわる貴重な話をお聞きすることができました。
 私はもちろん直接お会いしたことはありませんが、多くの市民の皆さんのお話から私なりの人物像ができています。
 名誉市民第1号として、この素晴らしいご功績とお人柄をぜひ日本中に発信していきたいと思います。


10月9日(金)
 9月県議会定例会が本日で閉会。知事提出議案をすべて可決する。補正予算については国の大型補正に関するものもあるが、現時点でどの部分が凍結されるか明確でなく、また雇用対策関係もあるのでわが会派は賛成した。
 ただし、日米FTA(自由貿易協定)締結交渉に反対する意見書については反対したが、自民党会派などの賛成多数で可決された。
 この問題については先の衆議院選挙でもマニフェストの中で推進すると訴えており、反対派が民主党批判の理由としている米などの重要品目の関税撤廃などは絶対にしないと説明している。
 しかしながら、今回の意見書はFTAそのものに反対するという主張であったため、わが会派は意見書に反対した。
 新政権において農家の戸別所得保障制度導入など、日本の農業政策は過去の反省を踏まえて大きく変わろうとしている。これまでと同じ議論では日本の農業は救えない。 
 これからの民主党の農業政策の成果を長いスパンでみてその是非を判断していただきたいと思う。


10月8日(木)
 現在、県では県立社会福祉施設の民間への移管、廃止などを検討しており、先日検討委員会から具体的な検討結果の報告もされた。
 私たちは入所者の状況や施設の老朽化などを確認するため今日一日をかけて該当施設の視察を予定していたが、残念ながら台風18号の襲来で延期となった。
 台風18号は日本列島を縦断するように爪痕を残していったが、幸い近江八幡市では大きな被害もなく、私も市内を見て回ったが、倒木や看板の破損など最小の被害で済んだようだった。しかし、全国的には大きな被害地域もあり、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
 2年ぶりの台風上陸で規模も伊勢湾台風並みの大きさであったため、住民のみなさんの不安も大きかったことと思う。
 さて、自然の脅威に対して人間は本当に無力である。今では気象予報により規模や進路を知ることができるのだが、こうした科学のない時代では多くの犠牲者を出したことは間違いない。しかし、その時々の英知を絞って、私たちの先人は自然と共生して生きてきたのだと思う。
 ある時は自然に立ち向かい、ある時は自然に服従しながら力強く生きてきた人間が、自ら種をまいた環境破壊や温暖化で今はまさに自らの生活を破壊しようとしている。
 自然の力に逆らわず、自然とともに生きて、現在の繁栄を築いてきた先人は今のこうした人類の姿をどう思っているのだろうか。


10月7日(水)
 今日は午前中地方分権・行財政対策」特別委員会協議会が開催され出席する。
本会議でも議論された来年度予算編成に向けての財源不足230億円に対応するため、現在65億円余りを目標額にして政策経費の見直しをしているが、その中間報告がなされた。今後、市町長会議などで議論しながら金額を確定していく予定である。
 いずれにせよ、国も県も厳しい予算編成が予測される。ご承知の通り、景気の状況は依然として先が見えず、雇用状況の悪化の中で市民生活にも多大の影響が出ている。
 思い切ってハードの予算などを凍結して、生活重視のメリハリのある予算編成が望まれる。国の補正予算の見直しもいよいよ佳境に入ってきた。地方自治体も大きな影響を受けるため、その成り行きを見守っている。
 午後は近江八幡市に戻り、市役所や東近江土木事務所などで懸案事項の情報収集に努める。台風18号の襲来に備え、各自治体では万全の態勢で防災体制に臨んでいる。
 今年は伊勢湾台風襲来からちょうど50年目にあたる。50年前には日野川が氾濫し大きな被害が出た。当時からすれば日野川の改修はかなり進んだが、油断はできない。
 今回の台風は伊勢湾台風に匹敵すほどの大きさであり、最悪のケースを回避するため、避難体制など万全を期す必要がある。市民の皆さんも不急の外出は控えるなど自主防衛に努めないといけない。


10月6日(火)
 厚生・産業常任委員会が開催され出席する。今日は補正予算など商工観光労働部所管事項の審査をする。この中で滋賀県の経済情勢についての報告もあった。
 相変わらず滋賀の経済・雇用情勢はきびしく、企業の倒産件数も現時点での数を見れば年末には昨年を上回ることは必至である。特に業種別では建設関係が最も多い。
 大企業に比べて中小企業の受けているダメージが非常に大きいという状況がうかがい知れる。 
 こうした中で亀井金融担当大臣の講演会での発言が話題となっている。「家庭内の殺人事件などの起こっている背景の中に大企業の責任がある」という趣旨の発言である。
 もちろん、表現の問題は指摘されて当然だろうが、かつての大企業は経済で苦しいときは内部留保を取り崩してでも下請け、孫請けを守ったが、今の大企業は一番にリストラをするなど人を大切にしない風潮になっているというのが趣旨である。
 このことについては私も同感である。亀井氏が言うようにかつてのよき日本型経営が失われ、その結果として市民生活においても少なからず悪い影響を与え、互いに助け合うという意識が希薄になっているのではないか。
 私は、父親の仕事の関係で東京の下町で生まれ、小学校一年生まで過ごした。父親の話によるとある有名な歌手がまだ売れない浪曲師の時代に近所に住んでおられたそうである。父親は故人となっているので事実かどうかはわからないが、こどものころよく聞かされたものだ。そこはまさに、漫画の「三丁目の夕日」に出てくる下町そのものであり、まち全体が貧乏であったけれど、人情があり、困った時はお米やしょうゆを貸し借りする助け合いの町であった。
 母が私を産んだ後、病気で入院している間に隣のおばちゃんのお乳で育てられという話もよく聞かされた。私と同級生の女の子のお母さんだが、今でもそのやさしいイメージが残っている。
 きびしい社会情勢の反映か、あるいは小泉さん以来の市場第一主義の政治の影響か、都会を中心に市民生活の中での思いやりや助け合いがなくなりつつあるという感じがするのであるが、これからこういう状況を変えていくのも政治の責任である。
 鳩山総理の言う友愛社会、あるいは「コンクリートから人へ」というスローガンが現実のものとなるように、私も地方政治の中で頑張っていきたい。 


10月5日(月)
 今日から厚生・産業常任委員会が始まり、健康福祉部と病院事業庁関連の議案が審議された。また、新インフルエンザ対策や地域医療再生計画などの報告もされた。
 地域医療再生計画については東近江医療圏域を対象に東近江市の3病院の再編を中心とした90億円あまりの計画が10月中旬に国に提出される。
 現在、40ケ所程度の計画が出され、10ケ所が採択される予定である。4分の1の確率であるが、採択されれば医師不足による救急体制の崩壊が進む東近江医療圏域にとっては大きな前進となる。併せて、地方がん拠点病院の整備も計画の中にあり、がん治療の分野でも光が見えてくる。
 東近江地域においてはこれまで近江八幡市と旧八日市市を中心とする東近江市地域の悪く言えば確執があった、また、よく言えばライバル関係があった。
 平成の合併においては任意ではあるが2市5町の合併協議が行われたが、当然のことながら協議は成立しなかった。というよりもほとんどの関係者が前に進むとは思っていなったのかもしれない。旧八日市市は八日市市を中心としたまちづくりを計画しており、近江八幡市との合併は眼中になかったのである。
 しかし、今回の地域医療再生問題を含めて、防災・消防、介護、子育て、医療など今後の課題解決のためには近い将来、東近江圏域の2市3町の合併は避けて通れないと思っている。単なる面積や人口の膨張は住民の幸せにつながると思えないが、それぞれの地域の個性を生かし、相互に補完しあいながらまちづくりを進めるという観点に立てば、滋賀県のど真ん中に30万人を超える中核都市が誕生し、大津市をしのぐ勢いになることは間違いない。
 そのときが来れば、安土という歴史の重みがある地名に光があたることは容易に想像ができる。
 今回の出直し町長選挙においては安土の名前の存続が大きな争点になっていたように思うが、結果はご承知の通り、合併反対の町長が誕生した。
 しかし、法的には来年3月21日に合併することがすでに決まっている。合併により両市町の住民の福祉が向上し、ともに共有する歴史・文化・自然を生かしたまちづくりが進められることを心から願うものである。


10月3日(土)
 10月には県内各地で市議選が行われる。実施されるのは東近江市、甲賀市、湖南市、野洲市、米原市の5市で、お気づきの人もあると思うが、平成の合併で誕生した新市である。合併して4年が経過し、東近江市のように旧市町単位の選挙区選挙から初めて全市一区の選挙となる自治体もある。市議会もある意味で合併後のまちづくりに対する有権者の評価を受ける選挙となるのかもしれない。
 春に行われた高島市や米原市の市長選挙では合併後の初代市長が有権者からきびしい審判を受けた。私は両市の前市長はまちづくりについて優れた識見や情熱をもったリーダーであると思うが、住民にとっては合併による満足感が得られなかったのかもしれない。とりわけ、厳しい財政状況に対する対応もあり、不利な条件が重なったともいえる。合併後4年間だけでなく、願わくば、住民の皆さんももう少し長いスパンで判断していただけたらと思うが、4年の任期である程度の結果を出さねばならないのが、政治家の使命でもある。
 合併といえば、お隣の安土町では合併問題に端を発した出直し町長選挙が明日行われる。
 安土町と近江八幡市の合併は数年前の合併論議に始まり、今日まで紆余曲折の経過を経て、町も二分された状態となっている。
 合併へのプロセスにおいて多くの問題や課題があったとは思うが、市町議会での議決、そして県議会への合併議案提出・賛成多数による可決を経て来年3月21日の合併がすでに決定している。
 かつての合併協議で議論された安土八幡市の自治体名が誕生しなかったことは今でも残念に思っているが、歴史、自然、文化を共有し、住民間の交流も活発に行われている両市町の合併は、介護、子育て、医療などの福祉の充実を始め、まちづくりにおいても大きな期待を持てる合併であると私は思っている。10年先、20年先の新しい街の姿を頭に描きながら私も地方政治家として精一杯尽くしていきたい。


10月2日(金)
「素顔のヴォーリズ」というテーマで写真展示がされているヴォーリズ記念館。自宅で満喜子夫人とくつろぐ氏の写真などが展示されています。
 今日は休会日のため、昨日に続き地域医療計画に関する地元近江八幡市の意見聴取、あるいは県道の側溝整備、道路補修などの現地確認などをする。
 夕方には明日から一ヶ月間の予定で近江八幡市で開催されるヴォーリズ展イン近江八幡のオープニング行事に参加する。
 嘉田知事や地元冨士谷近江八幡市長など多くの来賓の方々も出席された。
明日から市内18ケ所で写真展示がされ、多くのイベントの計画もされている。
 近江八幡市の名誉市民第一号ヴォーリズ氏は建築、教育、医療、伝道など大変多くの分野で偉大な足跡を残している。多くの市民に慕われ、その精神は今も近江兄弟社の事業の中で引き継がれている。
 このシーズンは観光客も大変多いシーズンであるが、ぜひともこうしたヴォーリズ氏の偉大な業績が全国に伝えられることを期待したい。私も可能な限り展示を見てまわりたい。白雲館などで公式ガイドブックも手に入るので皆さんもぜひご覧ください。


10月1日(木)
 今日から2009年度の下半期にはいる。補正予算の凍結、また、新年度予算編成など国・地方ともにあわただしくなる。
 今日は終日、東近江医療圏域の地域医療再生計画について医療センター関係者などと情報交換を行う。
 救急医療体制、産科医や小児科医の不足、地域周産期医療体制、がん治療、在宅医療などそれぞれの医療圏域では多くの課題を今も抱えている。
 東近江地域では東近江市の公立病院の医師不足などから2次救急医療体制に支障がでており、その結果2次救急の患者が3次救急である近江八幡にある救命救急センターへ流れるなど、救急医療体制全体の課題となっている。
 こうした課題解決のため、滋賀病院、蒲生、能登川の3病院の再編整備が急がれるのであるが、いずれにせよこの医療圏域で医師、看護師などの医療従事者をこれからどう確保していくかにかかっている。
 現在、こうした地方における医療再生計画を県や関係市町で検討しているのであるが、やはり取りまとめる県のリーダーシップが重要になってくる。
 広域医慮圏を充実させるには、当然構成する市町の協力体制は重要であるが、それぞれの市町が独自の課題をもっているのも事実である。
 こうした市町間の利害の調整、また大きなポイントになる各大学病院との連携では県が重要な役割を果たさないと前には進まない。これまでも誰が滋賀県の医療政策の中心的役割を担っているのか、という話をしたが、今こそ県の人材を結集してこの課題に対応してほしい。
 民主党も政権を担う以上、国民的課題である医療体制の充実、とりわけ医師確保に向けて渾身の努力をすることと、併せて地域医療の再生に向けて必要な財政支援をしなければならないと思う。


   
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