近況報告6月1日〜

6月30日(月)
 今日は6月議会一般質問の発言通告締切日です。朝から原稿の整理などで一日過ごしました。今回は7月3日(一般質問の二日目)の最後に質問します。
 質問内容は今年三月に改定された「滋賀県保健医療計画」について今後の医療政策のあり方も含めて質問します。もう一点は原子力災害対策について質問します。
 災害発生の可能性がまれということで関心は少ないかもしれませんが、国内には多くの原子力発電所があり、また近くには核施設を持った国もあります。
 想定外の事態はいつ起こるかもしれません。いたずらに不安をあおるわけではありませんが、可能な備えをしておくことはぜひとも必要であり、県民の皆さんにも必要な知識や情報は共有していただくことが大切かと思います。


6月29日(日)
 私学助成をすすめる会の総会が大津市であり会派を代表して出席した。私学助成については大阪府でも大幅な予算削減が行われ、保護者をはじめ私学関係者も大変苦慮されている。滋賀県も平成20年度予算では財政構造改革プログラムの影響で小中学校は昨年度の額が維持されたものの、高校や幼稚園では減額となった。
 昨年12月には私学助成を拡充する請願を私も紹介議員となって採択したが、19年度と同額まで復活させることはできなかった。
 私学はそれぞれの建学の精神を活かしながら公教育の一翼を担っているのであり、児童生徒や保護者に過度の負担をかけることはあってはならない。とりわけ、高校教育においては進学率が100パーセントに近づき義務教育化しようというときに、私学の役割なくしては公平公正な教育の機会を確保することはできない。
 来年度以降も厳しい財源不足が続くが、教育や福祉医療のこれ以上の後退はあってはならないと考えている。


6月27日(金)
 今日からいよいよ代表質問が始まる。自民党、民主党、対話の会の三会派が質問する。議会のルールで5人以上の会派だけが代表質問ができることになっている。
 内容は行財政改革、栗東RDエンジニアリングの産廃処理問題、造林公社の債務引受、ダム問題、そして医療政策、特に遅れているがん対策計画の質問も集中した。
 RDの問題についてはこれまで通り知事は現地浄化するD案で住民の皆さんの理解を得るという姿勢を崩さなかった。ダム問題については流域委員会と異なる整備案となったことについて国交省近畿地方整備局に説明を求めることを繰り返し述べられた。
 滋賀県で計画策定が遅れているがん対策計画については今年の12月をめどに策定することを約束された。がん検診の受診率が上がらない現状を考えても早急に対策を講じることが必要だ。
 3会派の質問に対して嘉田知事の答弁はざっと3時間を超えた。大変お疲れ様でした。今日は傍聴席からヤジが飛ぶハプニングもあったが、午後7時30分無事閉会となった。しばらく休会ののち7月2日から一般質問が続行される予定です。


6月25日(水)
 鳩山法務大臣の死刑執行署名が大きな話題となっている。特に、一部の報道記事で「死神」という表現を用いたため犯罪被害者の団体から報道機関に抗議がされるなど新たな問題も起こってきた。
 死刑を存続するのか、それとも廃止するか、このことはこれまでも多く論じられてきた。最近起こった秋葉原の事件など、なんの罪もない人が理不尽に命を奪われる事件は後を絶たず、最愛の人を奪われた人の悲しみは計り知れない。
 理不尽に最愛の肉親を奪った人間がこの世に存在することは許せないと思うことは当然だろうし、その犯人が反省の色さえ見せないとなればなおさらかもしれない。
 特に、日本では無期懲役刑を言い渡されても仮釈放で加害者が世の中に再び出てくることも多いとなれば、死刑という厳罰を望む声が多いのもうなづける。
 ただ、これまでにも死刑判決を言い渡された事件が冤罪であったケースもあり、この点を考えると、死刑が執行されると取り返しがつかないということも起こってくる。
 それと、死刑という刑罰が本当に犯罪抑止力を持つかどうかという疑問点もあるかもしれない。法という名のもとに生命を奪うことが刑罰とはいえ許されるのかどうか、という議論もあるだろう。
 こうしたことを考えると死刑という刑罰の執行は仮に許されるとしても、冤罪の可能性が100パーセントありえないケースとか、かなり限定的になされることが必要だろうし、仮釈放は決して認めない終身刑を課して遺族に対して生涯をかけて補償をさせるということも考えなければならないか。
 死刑という刑罰に犯罪抑止力がないかもしれない、あるいは冤罪が発生する可能性、法で定める残虐な刑罰の禁止などを考慮すると死刑廃止論に傾くのではあるが、そのことを訴えるだけでも心が痛むような残虐非道な犯罪が日常的に起こっていることになんともいえぬ虚しさを感じるのである。


6月24日(火)
 今日から6月定例会が開催された。知事は所信表明の中で造林公社の債務引き受け、栗東RDエンジニアリング産廃問題、新幹線新駅凍結後の区画整理事業などの対応、そして国土交通省から意見を求められているダム問題への対応の4点について見解を述べた。どの課題も今後の県政にとって大きな影響を与える重要事項であり、知事の判断は大変重いものになる。しかも、その責めを一身に受けなければならない孤独な決断でもある。歴代知事や執行部の責任によるものが大半であるが、現に知事である以上批判を受けながらでも結論を出していかねばならない。私たち議会もそれに対して県民の皆さんの意を受けて将来に悔いを残さない採決をしていかねばならない。そのために緻密な調査と真摯な議論を重ねていく。
 造林公社の債務引き受けについては今後690億円の債務を40年間で返済していく重畳的債務負担と20年度分の返済額約19億円あまりの補正予算が提案され、今議会で結論を出すことになる。国の責任や救済策も含めてしっかり議論していく。


6月23日(月)
 明日から6月定例会がいよいよ始まる。代表質問の再調整のため朝から政調会が開催される。栗東RDエンジニアリング社の産廃処理問題については、今後の対応について当局へ厳しい質問がされるであろうが、対策工について合意ができていないので議案として提出される予定はない。
 一方、造林公社の債務については一部新聞報道されているように農林漁業金融公庫に対して重畳的債務弁済(県と公社が一緒になって債務を返済)していくことになる。
金額にしておよそ690億円余りを40年かけて県と造林公社が支払っていくわけだが、当然今後得られる伐採収入は弁済にあてられる。しかし、その額は今後国産材がよほど高騰しない限り、多くは期待できない。琵琶湖の水源の涵養のためとはいえ、今後長期間にわたって返済額を予算化していかねばならないので、財政再建に大きな影響がでることは必至だ。この議会においても20年度の返済分が補正予算として提出される予定になっている。また、今後は下流の自治体に対する債務の問題も解決していかねばならない。
 この二つの大きな課題以外にも、まだ開設できていないクリーンセンター滋賀の運営にかかる赤字問題ものしかかってくる。
 しかしながら、嘆いてばかりもいられない。ここは行政も議会も知恵を絞って県民の皆さんと協働する中で滋賀の発展を期したい。滋賀には人材もあり、誇れる歴史文化もあり、また地の利も豊かな自然もある。今あるものをしっかり活用して私たちの故郷を子や孫に引き継いでいきたい。


6月21日(土)
パワーポイントを使って講演する小室淑恵さん。
 男女共同参画センターでワークライフバランスをテーマに公開講演会があり、妻とともに聴きに行った。
 企業向けに育児休業者や介護休暇者、メンタル治療からの復帰者の支援プラグラムを提供している小室淑恵さんの話は大変わかりやすく、男性も女性も働くことと生活の両立を図ることが今の少子高齢社会に対応する大きな施策であることが参加者も実感できたのではないかと思う。
 男性も長時間労働から解放して、その時間を生活へ振り向けなければ、これからの子育て、介護には到底対応していけないし、社会の良好な発展には向かっていかない。
 また、何よりも仕事以外の時間を作り、自己啓発をしたり異業種交流をしたりして新しい出会いや発見をすれば、より質の高い仕事をすることにもつながるというのは説得力のある話である。
 このことはこれまでも主張されていたが、実際に行政や企業でも実践活動がなければ前へ進まないし、女性は今以上に子どもを産もうとはしないだろう。それこそ、一人産んでもうこりごりだという悲しい気持ちになってしまう。 
 先の三月定例議会で男女共同参画社会の実現へ向けてということで質問をさせていただいたが、行政でも企業でも政策等を決定するプロセスに女性が半分を占めるまでに参画できる社会が健全であり、また今の少子高齢化に対応する大きな近道であると思う。
 そのためにも男女共同参画課は知事直轄か企画調整部門に配置してほしかった。


6月20日(金)
 午前中は地方分権・財政対策特別委員会、午後には環境・農水常任委員会が開催され、それぞれに出席しました。
 環境・農水常任委員会では大きな県政の課題となっている栗東・RDエンジニアリング社の産業廃棄物処理問題で地元自治会の代表7名の意見聴取が行われ、多くの報道機関や傍聴人も出席しました。
 そして、すべての自治会が県当局の示す現地浄化案ではなく、違法な廃棄物を全量撤去してほしいと要望されました。これまで、県が各自治会を回り説明されましたが、現時点では住民の理解は得られないということです。この処理を巡る基本方針の第一に住民の理解と納得ということが明言されており、今の状況では県が示す現地浄化案を進めることはできません。
 私は委員として県が「長期間続く交通渋滞や悪臭、騒音など周辺環境への影響」を全量撤去案の課題としてあげていることについて参考人に意見を聞きましたが、ほとんどは全量撤去するためであれば、受忍できるという話でした。
 有害物質が現地にある限り、将来にわたって安心安全な生活は確保されないという強い懸念の表れです。
 その後、知事はじめ当局の意見聴取も行いましたが、より詳細な説明を行いながら再度住民のみなさんの理解を得るため努力する、ということでこれまでの方針とは変わっていません。今後、現地浄化案の安全性について住民の理解を得られる説明ができるのかが、課題になりますが、産廃特措法の財政支援を受けて事業を進めるためには期限も限られています。住民の理解と納得が得られる対策工が確立できるよう当局、議会、そして住民の話し合いを粘りづよく進めて行かねばなりません。


6月19日(木)
沖島急傾斜工事現場で資材を運ぶモノレール。
 今日は市内の沖島で施行されている急傾斜工事現場を東近江地域振興局の関係職員とともに視察させていただきました。沖島は山を囲むように人家が並びがけ崩れの危険があります。現在、計画的に急傾斜にアンカーを打ち込むなど地形にあった工法で工事を進めていますが、離島であるため資材の搬送などが大変です。資材は台船で島に運ばれ、工事現場へはモノレールで搬送します。
 現在沖島には400名あまりの人が住んでいますが、火災、がけ崩れなど大規模災害が起こると離党であるがゆえに救助活動などが迅速に出来ない恐れがあります。そうした事態にならないように日ごろの備えや対策が他の地域より一層強く求められます。
 視察を終え通船で堀切港へ戻ったあとは大津へ行き会派会議に出席。当面する重要課題について説明を受けました。
 今日の新聞報道にもありましたように造林公社問題について債務の分割返済に向けて農林漁業金融公庫と話し合いのテーブルつける状況になってきました。
 とはいっても、借金返済の話なので合意できても今後何年間は県が債務を肩代わりして多額のお金を払い続けなければなりません。
 水源の涵養という植林の目的はよかったのですが、伐採収入を担保に借り入れで事業を継続したのには無理がありました。国産材の価格が下落することは誰も予想できなかったのでしょうか。植林を促したのも国ならば、外材の輸入を許して国産材の価格の下落を招いたのも国であるなら、誰が責任を取るのでしょう。
 福祉教育予算が削減される中で、また新たな支出原因が生まれてくるのは何ともやり切れぬ思いです。


6月18日(水)
 今日は市内で市総合医療センターについて市民の方と意見交換する機会がありました。平成18年10月開院した医療センターは18年度で約3億円、19年度では20数億円の赤字が出るということでその経営問題が議会でも大きな課題になり、また市民の皆さんもその行く末を大変心配されています。
 減価償却や特別損失という会計処理上の赤字があるとはいえ、収益が当初のシュミレーションより低いということは現実の問題としてあります。PFIによる支出の見直し検討やモニタリングは当然しなければなりませんが、いま関係者が心血を注いでしなければならないのは急性期の高度医療を提供する病院としてしっかり機能させ、収益をあげることだと思います。医師や看護師の確保、そして収益の高い1:7の看護体制の導入も検討しなければなりません。
 開業医と病院との病診連携はかなり進んできたかなと思いますが、救命救急センターの機能から考えると対象外の人が受診し医師の負担が増えている現状はあると思います。
 今日お話をさせていただいた方もおっしゃっていましたが、この医療センターで高度医療を受けるべき患者さんに多く来ていただくようもっと病病連携を深めるなどの努力が要るのでしょう。
 東近江地域の中核病院である総合医療センターは決してつぶしてはいけないし、この病院による高度治療を必要とする患者さんにしっかり提供できる体制づくりが必要です。


6月16日(月)
 今日は終日6月定例会の代表質問の協議のため政調会議が行われました。行財政改革や後期高齢者医療制度、また栗東RDの有害物質除去問題など大きな政策課題が山積している中でいつになく厳しい県議会となりそうです。
 また、今日は「産業廃棄物処理を考える会」と「飲み水を考える会」のメンバーが会派事務所に来られ、産廃処分場問題に関連して地下水への汚染を止める粘土層修復を基本にした環境保全の対策工法の提案をされました。国の特措法も適用されるということであり、今後一つの選択肢として検討する必要があると思います。
 今日まで県が現在の案を決定するプロセスが明確でなかったこと、住民説明会でも科学的な立証ができなかったことなどが問題をより複雑にしたのであるが、全量撤去案、現地浄化案、そして粘土層修復案など可能な工法についてそれぞれメリット、デメリットを科学的に検証できるまで精査すること(現在の○△×評価ではあまりにも説得力がない)、場合によっては第三者機関の評価も加えて住民と再度話し合うことが必要であると思う。


6月15日(日)
少子化、環境問題、財政赤字などについて淡々と語る武村正義元大蔵大臣。
 何年か続いてきた政策フォーラムがとりあえず休止になるということで今日は締めくくりの意味で武村正義元大蔵大臣の講演がされた。
 往年に比べるとほっそりされたが、まだまだお元気で2時間にわたって講演と意見交換がされました。
 財政赤字、少子化、環境、地方分権、道州制など短い時間でしたが多岐にわたる意見交換ができました。県政にかかる話題は生々しいので話づらそうにされていましたが、新幹線の凍結に続き、栗東のRD問題にかかる課題は会場からも質問が出て参加者もそれぞれ自分の意見を言う場面もありました。
 この問題の結論としては住民との対話をもっと深めて結論を出していく、ということになるのでしょうが、嘉田県政全体の評価についてはもう一年見てから判断するという話で終わりました。
 少子化に対する考え方や財政赤字については武村先生らしい斬新な話があって、いまだ衰えずという感想でした。
 財政赤字については1600兆円ともいわれる大口の個人貯蓄(推測で40万人から50万人の所有か?)に何らかの着目をすることも必要かな、という話もでました。
 今は役職をお持ちでないので大きな話にはなりませんが、もし大蔵大臣在職時なら新聞のトップ記事を飾る話でしょう。
 後期高齢者医療制度をはじめ日本の社会保障にかかる諸問題など我が国においては国から市町まで同じように霧がかかっている状態ですが、こうした中でも熱く夢が語れる政治家をめざさなければと今日はつくづく感じました。
 ちなみに武村先生は昨年1年間町内会長をされたそうです。
 自治官僚、八日市市長、滋賀県知事、国会議員、そして大蔵大臣をつとめて、最後に町内会長というそれこそ最先端の自治を経験されたということであらためて稀有な政治家であると思ってしまいました。


6月14日(土)
あかね寮20周年記念式典で挨拶する井上理事長。舞台両脇には主役である利用者が正装して着席し、ともにお祝いしました。
 東近江市にある蒲生野会あかね寮の創立20周年記念式典が開催され、出席させていただいた。理事長の井上さんは近江八幡市在住の方で創立のときから運営にご努力されている。障害者自立支援法の施行後、障がい者の施設運営は大変厳しい中で御苦労いただき、また、この20周年を契機に一層飛躍発展するため、居宅の個室化、バリヤーフリー化など大規模改修を計画されています。
 昨年の県議会で質問しましたが、この東近江福祉圏域ではこの3月末で県立のしゃくなげ園が廃止されるなど厳しい状況が続いていますが、あかね寮が20周年並びにこの大規模改修を契機に地域福祉の拠点として益々発展されることをお祈りします。
 蒲生野会では2006年から10ケ年の将来構想「夢をかたちに」を策定されていますが、その中に「ひとりぼっちの障がい者をつくらない」というスローガンがあります。
 障がいを持つ人はともすれば家に引きこもりがちになることも多いと思いますし、親が亡くなられた後の不安もあると思います。
 そして、何よりも持てる能力を十分発揮して就労できる機会を作り出すことが必要です。応能負担から応益負担に変わった障害者自立支援法の施行により共同作業所で働く障がい者の皆さんのおかれている状況も大変厳しくなりました。すべての障がい者が社会参加でき、地域でいきいき暮らせるように法制度の是正に向けてこれからもがんばりたいと思います。


6月13日(金)
 今日は環境・農水常任委員会が開催され、前回以降の経過報告がされた。報告の中心は数回にわたる住民説明会の報告であり、内容は県の勧める遮水壁の安全性に対する疑念をはじめ住民の合意を得られなかったということである。
 この委員会では基本項目の第一にある住民の合意と納得という点について自治会の意向を踏まえた栗東市の合意がなければ対策工事は進められないということの確認があらためてされた。そして、住民の代表の参考人招致をすることも決定された。
 現在県が示している案は安全性について県の責務が果たせるということであるが、果たしてそうだろうか。もちろん原因者は他にあり、その代執行による対策工ではあるが、産業廃棄物にかかる許可や指導が十分行われなかったという不作為の責任が県にはあるはずだ。その意味で決して善意の第三者とは言えず、代執行の範囲以上の対策工事は県の支出で出来ないということは言えないだろう。
 対策工事のプロポーザル等によって技術的な説明を出来るようにするということであるが、対策工検討委員会の結論は全量撤去であるということを前提に考えれば、費用や技術の評価を含めて正確なデータを全量撤去案を含めてしっかり提示すべきであろうと思う。


6月12日(木)
住民が撤去を求めているRDエンジニアリング社の焼却炉。
 今日は会派でRDエンジニアリング社の不法投棄の現場を再度視察する。掘り出された生々しいドラム缶や医療廃棄物が不気味に倉庫に保管されていた。
 場所は丘陵地の中で周りは見渡す限り緑の山々が広がっているが、足元には瓦礫が散乱し、違法な処理がされた錆びた焼却炉がそびえたつ。さながら暴力映画にでも出てくるような荒涼とした風景だ。この地中にどれほどのダイオキシンやPCBがあるのか現時点で誰もわからない。
 今、この場所をどのように処理して住民の安全や安心を守るのかが議論されている。
対策工検討委員会では有害物を全量撤去する案が多数を占めたが、県は自らの責任の範囲で出来るのは土とコンクリートの遮水壁で周辺を囲み、現地浄化して覆土するという案であるとして住民に説明している。しかし、どの自治会にも了承は得られていない。
 遮水壁は30年間は堪えるだろう、そして、その間に水処理をしたうえで覆土するといっても、何の補償もない。そもそも深さ40メートル近くにも及ぶ遮水壁の工事が確実に出来るのか、それで有害物質の流失は防げるのか、破損はしないのか、いくら説明を聞いても確信が持てない。
 感情論でなく、現時点では県の主張する案の科学的な証明は出来ていないのだろう。
 この現地視察のあと一端、近江八幡にもどり市の観光物産協会の総会に出席し、夜には再度栗東市に戻り、一回目の住民説明会のまとめともいえる会議を傍聴しに行った。
 やはりこの会議でも遮水壁の効果に対する疑問が渦巻いた。加えて、県が自ら主張する案で実施計画のプロポーザルをしたことが住民の反発をさらに招いた。
 特別措置法の期限や環境省と早急に対策案を協議をしなければならないなどの時間的な制約はあるが、事態の重大さを考えれば再度、検討しなおさなければならないと思う。
 現時点で安全面を考えると私の心証は全量撤去案から現地浄化案へ少しも進まない。


6月10日(火)
 梅雨の合間の晴れの日となりました。朝から岡山学区ゲートボール同好会主催による読売旗ゲートボール大会で挨拶をさせていただいたあと、今日告示の竜王町長選挙で民主党が推薦している候補者の出陣式に出席しました。
 竜王町は滋賀県でも数少ない地方交付税不交付団体です。近江八幡市のように地方交付税が交付されていると、たとえ一億円の税収増を実現してもおよそ75パーセントの7500万が交付税で差し引かれるので歳入増は単純計算で2500万円だけということになります。それに比べて不交付団体ですと一億円がそのまま歳入増となります。
 この仕組みを考えると自治体にとって地方交付税不交付団体になることは大きな夢でもあります。
 現在、近江八幡、竜王、安土の1市2町で合併論議がなされていますが、この竜王町長選挙の結果は今後の合併問題にも大きな影響を与えることでしょう。しかし、現時点では合併は争点にはならない様相です。いずれにしても推薦候補が勝ち抜くため支援の輪を広げて参ります。
 出陣式のあとは県庁へ移動し、6月定例会の議案説明、そして議会前の知事との懇談会とあわただしい日程をこなし、夕方には大津駅前で後期高齢者医療制度の廃止を訴える街頭宣伝活動で一日を終えました。
 後期高齢者医療制度の廃止法案は参議院で可決されましたが、衆議院で成立する見込みがなければ明日にも参議院に福田総理の問責決議案が提出されます。これに対して与党は衆議院で信任決議案を可決して対抗するそうですが、国民は決してこれを許しません。
 解散総選挙で民意を問うまで私たちは闘い続けます。 


6月9日(月)
 今日は終日会派会議で当面の課題である栗東のRD最終処分場の有害物質の除去問題、大戸川ダム問題などについて様々な角度から検討を加え、会派での方向付けのための議論をした。何度も議論を重ねながら現時点で結論がでないのはこの問題の深刻さを物語る。
 県民の安全安心を守ること、これがすべてに優先することは当然あるが、そのための財源確保と併せて納税者の理解と納得が得られる決断でなければならない。
 そして、この決断に対する責任を将来にわたって県当局と議会は県民に対して負わねばならない。
 時間的な制約はあるが、真摯に検証と議論を重ねて結論を出していくのが県民に付託を受けた我々の責務である。と同時にこうした大きな転換期に県議会に議席をいただいたことに身が引き締まる思いでもある。
 長時間にわたる会派会議のあと、近江八幡にもどり駅北口において連合滋賀の皆さんと街宣活動を展開する。多くの派遣労働の問題点、時間外手当の不支給、非正規職員の待遇改善など今労働環境は大変厳しい状況にある。不当労働行為があれば1人で悩まず連合をはじめ関係機関に相談することが大切である。
 今、賃金は思うようにあがらない、しかしガソリンをはじめ原油高で物価は高騰し、生活は苦しくなるばかりである。これは小泉内閣の規制緩和や市場経済第一主義がもたらした社会問題でもある。この社会全体の構造や仕組みを根本的に変えなくては生活者に厳しい社会情勢はいつまでも続いていく。今日報道された政党支持率では民主党が自民党を上回った。直近の民意である参議院の首相問責決議に対して、数年前に郵政民営化で得た衆議院の議席による信任決議で対抗すると平然と言ってのける自民党を国民はもう支持しない。 


6月8日(日)
 今日は休日ですが、政調会並びに淀川水系河川整備特別委員会の会派のメンバーが集まり、淀川水系4ダム計画について意見交換をした。
 新聞報道がされているようにダムの必要性を主張する国土交通省近畿地方整備局とダム計画の見直しと原案の再提示を求める淀川水系流域委員会の意見が対立している。
 6月6日には関係する2府2県の知事が双方の意見を聞く説明会が開催されたが、各知事の見解は分かれた。各府県の事情が違う中で近畿全体としての意見をまとめることはそれぞれの流域の住民の思いが違う中で今後も困難を極めることと思う。
 しかし、近畿地方整備局は流域委員会の意見を無視して整備計画案を提示して知事の意見照会に進むのではないかと言われている。
 流域委員会は多額の税金を使い、これまで数多くの議論をしてきたのであるが、その意見を諮問した側がどう扱うかは非常に大きな問題である。
 諮問した以上、その意見は最大限尊重するというのは当然のこととして、政策決定する側はその諮問機関の審議の過程で必要な材料はすべてしっかり出すことが必要だと思う。この問題にかかわらず、自分たちの政策決定が先にあり、そのあと押しのため有利なものだけを出すというようなことがあれば、諮問機関の存在自体が歪められたものになってしまう。この点の原理原則がしっかり確立されない中で諮問制度が進められればそれはまさしく税金のムダ使いになるし、貴重な時間を割いて審議している委員のみなさんに対しても大変失礼である。


6月7日(土)
日本の医療制度の問題点とそれを解決するための政治的課題について熱く語る笠原滋賀県医師会副会長。
 朝から民主党滋賀政治スクールの第1講が開催され、オブザーバーとして出席する。本年度の受講者は20代から70代まで多士済々でこれから一年間県政の課題や政策全般にについて学習する。この政治スクール修了生からは地方議員も生まれており、今年も大きな成果が期待される。第1講は民主党のマニフェストなどその目指している方向性について川端県連代表が講義をされた。
 午後は医療問題検討委員会が開催され、滋賀県医師会の浅野会長をはじめ6名の役員の方々と現在の医療制度の課題や問題点について医師会の立場から意見をお聞きするとともに政治的課題について討論する。
 後期高齢者医療制度をはじめとする医療費抑制策が欧米職国と比べてどのような位置にあるのか、また規制会議以降医療の本質がどのようにゆがめられてきたのかなど検証するるともに、増大する医療費の内容の点検やジェネリック薬品の使用の問題点など専門家の貴重な意見をお聞きした。
 今、滋賀県においても医療政策を誰がリードしているのか全く不明確であり、また独自性もほとんど発揮されていない。昨年一年間、私も医師不足対策や公立病院のあり方などについて県議会で質問したが、ほとんどが国に対して要望するばかりの答弁で消化不良の状態であった。今年も後期高齢者医療の行方やがん対策、医療圏域ごとの公立病院の再編ネットワークの問題など課題は目白押しであり、今年こそ滋賀県の医療政策やその進むべき方向について明確になるよう専門家の意見を聴取しながら新たな提言もしていきたい。


6月6日(金)
篠原駅周辺都市基盤整備推進協議会の総会が開催され、顧問として出席しました。
有識者による整備構想もまとめられ、平成24年度の供用開始を目指していよいよ詳細な設計、測量も始まります。JRや国・県との具体的な協議も始まりますが、関係市町の財政事情が厳しい中でJRの負担や国・県の補助金など全面的な支援を望むものです。
 現時点で駅舎部分が13億6千万円、自由通路9億7千万円、南口広場の整備5億5百万円など総額46億円余りの事業費が必要になりますが、篠原駅周辺整備は2市1町の住民の長年の願いであり、またバリアーフリー化がなされることで障がい者や高齢者をはじめすべての人にやさしい駅に生まれ変わります。
 また、南口広場へのアクセスや県道安養寺入町線のバイパス化など周辺道路の整備も急がれます。鉄軌道整備関係の県補助金が財政改革プログラムで削減されている中、必要な財源確保に向けてこれから関係議員が協力して推進していきたいと思います。


6月5日(木)
専用の魞(えり)でブラックバスやブルーギルを捕獲する漁師の皆さん。
 今日は環境農水常任委員会の県内視察のため守山市と彦根市にお邪魔しました。
守山市では守山漁業協同組合を訪れ、有害外来魚ゼロ作戦事業の調査をし、彦根市では東北部浄化センターの汚泥溶融炉設備の稼働状況を中心に調査しました。
 まず守山市では、組合長さんから最近の琵琶湖漁業の状況についてお話を伺いました。大きな課題として南湖の水草異常繁茂があります。ニゴロブナやホンモロコ資源の大幅な減少の原因であり、また漁場は喪失するとともに外来魚の巣ともなっています。
 漁連としても国交省に水草除去を要望されていますが、琵琶湖の環境保全上も大きな問題になることは間違いありません。
 また、漁具はここ数年特に汚れが目立ち、網目が数週間で詰まるということです。併せて一部の水域では漁獲した魚に異臭が発生するなど、まさに琵琶湖の中で何かが起こっているというのが現場の漁師さんの思いです。
 県の担当者の話によりますと、下水処理場の処理水はかなり高度に処理されているということでありますが、温度の上昇を含め科学的な解明を今後一層求められるというのが多くの委員の意見でした。
 また、大きな問題となっている外来魚の駆除につきまして、守山漁業では12か所程度の駆除専用の魞(えり)を設けてブラックバスやブルーギルを捕獲しています。
 漁師さんの努力で大変大きな効果を上げておられますが、琵琶湖の固有種を守るためにも抜本的な対策が必要です。
 この視察で戸田直弘さんという大変熱心に琵琶湖の漁業に取り組んでおられる青年に出会いました。「わたし琵琶湖の漁師です」という著書もある方で、環境問題に取り組みながら熱い思いで琵琶湖の漁業に取組む姿に大変感動しました。最近一年間で農業、林業、漁業に熱心に取り組む若者に多く出会いましたが、彼らの思いを実現するためにも行政が果たすべき仕事をきっちりしなければならないと思いを新たにしました。


6月4日(水)
 後期高齢者医療制度廃止に向けた動きが活発になってきた。今日は野党4党首を中心に「おばあちゃんの原宿」といわれる東京巣鴨のとげぬき地蔵前で廃止に向けた街頭演説がされた。
 10日には全国一斉に県庁所在地で民主党も廃止を訴えていく。
医療費抑制策として二年前に強行採決で政府与党はこの法案を通し、国民に十分なPRもしないままこの4月から実施された。都道府県ごとの広域連合による実施であるが、見切り発車は否めず各市町でも混乱が生じた。対象となるお年寄りにとっても寝耳に水といった感じで保険料だけはしっかり年金から天引きされた。
 原油価格の高騰を受けて物価はどんどん上がる一方で年金暮らしのお年寄りにとっては大きな痛手だ。今日、厚生労働省は実態調査で多くは保険料が下がるといった発表をしたが、どんな内容の調査をしたのか、実態は明確でない。特に発表にあるように低所得者層の負担増となっていればこれまた大きな問題である。比べている国保の負担制度自体が何種類か違いがあるし、一律には判断が出来ない。そして、この保険料は確実に早いスピードであがっていく見込みであり、一時的に保険料の負担が下がる人も決して油断は出来ない。
 ただはっきりしているのは75歳以上の医療に包括医療を持ち込むなど差別的な医療制度であることは事実である。しかも終末医療で人間の尊厳を傷つけるような制度を持ち込むなど全く品格のない医療制度である。
 数年前、税の老年者控除が廃止され、お年寄りは大きな負担を強いられた。また、セーフティネットである生活保護制度の中では老齢加算を廃止するなど、度重なる弱者切捨てによる社会保障費削減の流れはなんとしても断ち切らねばならない。 


6月3日(火)
 今日は政調活動の一環としてレジ袋の削減について量販店の担当者に取り組み状況をお聞きした。レジ袋を削減することにより環境への負荷を減らす試みとして様々な形で買い物袋の活用を啓発しているが、積極的に取り組んでいただいている店舗でもなかなか40パーセントまではいかない状況である。このパーセンテージを上げるためにレジ袋の有料化を進める試みが各地で行われている。富山県や東京の杉並区などが先進的な取り組みをしているのだが、それぞれに課題も多い。
 要は昔のように買い物を袋を持ち、過剰包装を避け、容器は反復して使うというように大量消費時代の前に立ち返り、かつての生活様式に戻ることが出来ればいいのだが、多くの人の意識はなかなかそうはならない。
 便利さに慣れて私一人ぐらいの力ではどうにもならないとみんなが思ってしまえば環境汚染も地球温暖化もくいとめることは出来ない。逆にみんなが不便さを我慢して出来ることからはじめれば一気に環境問題は解決する。
 人の意識を変えること、それに向けた社会の仕組みを整備すること、行政も住民も事業者も一緒になって同じ方向に進むことが出来る条件づくり、ということが重要であるのだが、利害が絡むとなかなか前へは進まない。
 京都議定書の取り組みがあっても大国アメリカが参加しなければ大きな成果は期待できないのである。こうしたエゴが続く限り、人類の未来は暗闇となる。
 一人ひとりが身近で環境へ配慮した行動をすること、そしてそのことの価値を実感できる仕掛けづくりをしなければならない。これは自分自身への戒めでもある。


6月2日(月)
 6月に入り、議会の定例会が始まる市町も多い。近江八幡市も今日から開会になった。
県議会は若干遅く6月24日から6月定例会が始まる。6月は補正予算もなく、通常は穏やかに終わることが多いのであるが、今議会は栗東のRD産廃問題をはじめ大同川ダム問題など議論が活発になる。私の所属する委員会も環境農水常任委員会については栗東RD問題、地方分権・財政対策特別委員会では財政構造改革プログラムをはじめ、地域振興局のあり方、地方分権改革推進委員会の第一次答申などこれまた重要課題が調査事項になる。
 地方分権・財政対策特別委員会では昨年、基本構想、財政構造改革プログラム、行政改革の三点セットの審議で熱心な議論が行われ、市町との対話という課題もあって市長や町長の参考人招致も行われた。今年も振興局のあり方の検討では市町長の意見を十分聞く必要があると思っている。これ以外にも道州制の方向や県が方向を示している三地域の合併問題も目を離せない。交付税制度など財政問題は国の施策に大きく左右されるのであるが、常に言われているように新たな歳入確保策を何とか見出さなければならない。


6月1日(日)
公民館前に建立された優良公民館文部科学大臣賞受章記念碑。
 昨日とはうって変わって快晴の日曜日でした。先にもお伝えしたように地元岡山公民館が優良公民館として文部科学大臣表彰を受章し、その記念碑が有志の皆さんにより建立されたお祝いの会に出席しました。岡山公民館は昭和30年に岡山連絡所として開設され、以来、昭和50年代初頭に現在の公民館が建設されるなど長い歴史の中で岡山学区民の生涯学習や生涯スポーツの拠点として住民福祉の向上に寄与してきました。
 本格的な地方分権時代を迎えて国から県へ、県から市町へ権限委譲が進む中で、公民館はまちづくりの拠点や行政と住民の協働の舞台として大いに期待される存在です。
 従来の公民館活動に加えて、行政にかわる住民福祉の向上や自治体事務をつかさどる機関として今後大きくその利用方法も変わってくると思います。
 まちづくり協議会の設置など岡山公民館の先進的な取り組みは今後他のモデルとして高く評価されることを期待します。
 参加された皆さんにご挨拶をさせていただいた後は、大津へ移動し、県政の重要課題である大同川ダム問題や栗東のRD産廃除去問題について国会議員、県会議員、そして市町議員も交えて情報の共有と意見交換のための研修会を実施しました。
 二つの課題は住民の安心安全にかかわる重要課題であると共に、大きな財政負担を伴うことから、判断を誤れば将来取り返しのつかないことになります。
 しかも結論を出さねばならない期限は間近に迫っています。住民の皆さんの思い、科学的な根拠やその証明、そして財政負担の妥当性などをしっかり見極め判断していきたいと考えています。その基本姿勢として、決して財政事情が住民の健康や命を守ることより優先されるようなことがあってはならないと思っています。


   
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