6月中の税と社会保障の一体改革法案採決を目指して与野党の修正協議が進められている。野党自民党から最低保障年金制度などの撤回を要求されており、それらを丸のみするかどうかが焦点であるが、消費税を通すために何でもありでは何のための政権交代であったのかということになる。
もともと消費税については4年間は増税の議論すらしないというのが鳩山内閣の時の話であった。増大する社会保障費の財源を確保するため、国民のみなさんのご理解を得て消費税増税するという議論を否定することはしないが、それと引換に民主党の主要施策をひっこめるのは反対である。
そもそもこうした事態を招いたのは菅内閣のときの参議院選挙で唐突に消費税増税を持ち出して、敗北し、参議院で過半数を失ったためである。その前には普天間基地移設問題で世論の支持を失った鳩山内閣がある。
ねじれ国会の中で野党の要求を安易に丸のみするようなことになれば、民主党政権の意義は全くなくなる。「税と社会保障の一体改革」の名に恥じないように国民の皆さんの合意を得られる結論を出してほしい。