今日は朝から報道番組では尖閣諸島問題が大きく取り上げられています。石原東京都知事が尖閣諸島を東京都で買うという発言が発端です。日本の外交を弱腰と言わんばかりの唐突な発言ですが、東京都民はどのように受け止めておられるのでしょうか。東京都は誰が知事をしても税財源がどんどん入ってくる都市です。尖閣諸島を買う費用がどの程度かわかりませんが、現在地権者には4島で国が年2500万円程度の賃料を支払っているそうなのでそこから金額が出てくるかもしれません。私は知事が都の税金で買うと表明したことに問題があると思っています。自分の私財を投げ打ってというのであればともかく、都民の税金で買うということに妥当性があるのでしょうか。大都市にとって大したお金ではないかもしれませんが、もっと違うところに税金を使ってほしいと願っている都民は多いはずです。日本の主権問題に関する石原知事のパフォーマンスとしか思えませんが、今の日本の報道はこうしたことを大きく取り上げ、誤った世論を形成しているのではないか、と思うのは私だけでしょうか。
昨日、政策フォーラム滋賀の研修会で武村正義元大蔵大臣のご講演を久しぶりに拝聴しました。テーマは「この国は財政再建に踏み出せるか。」でした。現役を退かれてかなり歳月を経ましたが、今も私たちに大きなメッセージを与えていただいております。今の国・県の長期債務残高940兆円について自ら大蔵大臣としてかかわった責任にも言及されながら、消費税増税の必要性や相続税の非課税扱いをやめて一律2割の課税をすることなどの歳入確保の具体案を述べられました。こうした財政規律に対する厳しい意見を言う政治家に対する有権者の支持は厳しい状況にあります。行財政改革にまじめに取り組む首長が選挙で負ける姿も何度か見ました。まさに、政治家がポピュリズムに傾く原因はここにあります。将来世代に向けて何を残し、どのような将来像を描けるのか。ここが政治家の真の評価であろうと思います。昨年の統一地方選挙のときに今よりも将来において評価される政治家でありたいと申し上げました。今もこの気持を忘れずに日々取り組んでいます。原発問題しかり、TPP問題もしかりです。
この週末、石原知事と武村元大蔵大臣の二人の政治家の姿を見て、政治家の評価をあらためて考えさせられました。