今日、国土交通大臣が八ツ場ダム建設継続を決定し、24年予算に関連予算を盛り込むと発表した。一方、党の政調会長は予算を認めないという。政府と与党はもちろん別組織ではあるが、基本方針が違っていてよいわけがない。国民のみなさんには大変わかりやすい姿だと思う。
私たち滋賀県議会でも、以前ダム問題で議会を二分する議論をした。ダム建設を否定するわけではないが、ダム以外に治水利水の方法がないのか、しっかり客観的データをもとにした判断が必要である。ダムを作りたい人たちの結論ありきで予算を使い、元に戻せない開発をすることは将来、人類への背信行為になるとさえ思う。ダム建設は手戻りが許されない開発であり、慎重な対応が望まれる。滋賀の流域治水基本方針の根底にはこうした考えがあると信じている。今回の判断は有識者の答申を得てのものかもしれないが、そこにはダムを作りたい国土交通省の思惑がないのか、検証が必要である。「コンクリートから人へ」の理念が崩れていくような気がしている。