今週の21日、22日の2日間にわたって福島市や飯舘村を自治体議員協議会で訪問させていただき、食品の安全検査体制に対する「JA新ふくしま」の取り組みや飯舘村における除染活動について視察させていただきました。また、併せて、福島大学清水教授によるチェルノブイリ原発事故と福島原発事故の比較や復興に向けての取り組みについてご講演を拝聴しました。
それぞれのお立場で福島原発事故の対応に大変ご苦労いただいていることに対してあらためて敬意を表したいと思います。そして、除染の現場などを視察させていただき、深刻な放射能被害が今も続いていることに対して大きな憤りを感じます。今、汚染水の処理が国会などで議論がされていますが、避難されている住民のみなさんが帰還できない状況が続いている中で、除染活動も遅々として進んでいない現状を垣間見てきました。今、オリンピックの東京招致に湧きかえっている中で、施設の建設などで人や機材が東京へ集中し、復興がまた遅れるのではないかという住民のみなさんの不安の声があることを見逃してはいけないと思います。
飯舘村では村の振興公社の事務局長さんから除染活動の概要についてお聞きしました。振興公社はもともと畜産振興やまちづくりのために設立された公社ですが、いまでは国から除染作業の委託を受けて、村民のみなさんを中心に作業員を雇用し、百数十名で作業を続けておられます。私たちがお話をお聞きした会議室も作業員の方の休憩室になっています。宅地で除染をすれば確かに放射線量は減少するのですが、山林の除染を進めないことには、雨などでまた線量が増えるという悩みがあります。そして、山林の除染はほとんど人の手作業で行うことからこれも思うように進みません。人の力でどうにもできない放射能汚染の怖さをあらためて痛感しました。そして、最大の悩みは野積みされている汚染土をどう最終処分するのかということだと思います。今は写真のように仮置き場に袋に入れて積まれていますが、先の見込みは立てられていません。
こうした状況を見てみないふりをしてるのか、安倍総理は公然と原発推進を唱えています。福島大学の清水先生はもしチェルノブイリ級の原発事故が日本各地で起これば日本の国は破滅すると懸念されていました。
直ちにすべてを廃炉とまではいかなくても、やはり原発の新増設は認めない、40年を経過したものは順次廃炉していくことにより、原発ゼロを目指すことが必要です。もちろんそのための代替えエネルギーとして再生可能エネルギーの開発を進めることは必須条件です。核廃棄物の処理についても見通しが立てられない中で、こうした福島の現実を直視し、原発ゼロを目指して国民のみなさんの理解を得るためこれからも取り組んでいきたいと思います。