今日は厚生・産業常任委員会が開催され、観光振興指針、新たな自殺対策、食の安全安心対策などについて、説明を受けました。
日本の自殺者の数は年間約3万人あり、滋賀県では約300人の尊い命が自殺によって失われています。政府や自治体でも自殺問題に政策として取り組み始めていますが、大きく改善できていない状況が続いています。そうした中で、自民党政権になって自殺対策予算が減額されたため、先の県議会では、わが会派から国にさらなる対策を求める意見書案の提案もしました。
自殺の原因は病気、経済的な理由など様々ありますが、滋賀県では学生など若い人の自殺が増えているという傾向があるそうです。大津のいじめによる中学生の自殺が全国的な議論になったのはご承知の通りですが、学校現場をはじめ、職場でのトラブル、就職難など若者を取り巻く厳しい状況が若い命を奪っているのだと思います。
最近ではブラック企業と言われる職場で厳しい労働環境に置かれているものが過労によって自殺に追い込まれるという事例も報告されています。また、アカデミックハラスメントという言葉があるように、大学院などの高等教育機関で指導教授から不当な取り扱いを受けて心身症となり、休学や退学に追い込まれ、最悪のケースでは自殺ということも起こります。
こうした事例は数限りなくあると思いますが、これはまさに社会問題としてしっかり対策をしなければ自殺者の数は減らせないということです。要は学校現場でも社会の中でも、公平公正な運営が行われるような仕組みを作ること、そして、当事者のだけの問題とすることなく、相談機関や監督機関をしっかり設置することが重要だと思います。雇用の問題であれば厚生労働省、学校現場の課題であれば文部科学省というようにあらゆる関係機関がこうした自殺が起こらないように、公正で公平な仕組みを作ることが重要です。一人の人間に一人の人間の運命を左右するような大きな権限を与えてはいけない、あるいは集中させてはいけないということだと思います。