8月28日(水)「がん治療最前線。」

昨日は厚生産業常任委員会が開催され、出席しました。午前中は商工観光労働部から最近の経済雇用情勢、滋賀の水環境ビジネス、中小企業活性化にかかる審議会の開催状況等について、健康福祉部からは25年度の地域医療再生計画、滋賀県における児童虐待の状況などについて、それぞれ報告がありました。午後からは県立成人病センターや中央こども家庭相談センターを訪問し、最新のがん治療や児童の一時保護の状況・相談事例について現場の職員の声を聞いてきました。

成人病センターでは平成22年に導入された高精度の放射線治療機器(現在のところ県内では成人病センターと滋賀医大に2台導入されている)を用いたがん治療と日本で唯一、県立成人病センターで実施されている遠隔病理診断ネットワークについて現場の医師から報告を受けました。

現在、腫瘍の良性・悪性などを診断する病理医は全国で約2000人、滋賀県では20名あまりしかいません。そのため病理検査に時間がかかり、患者は結果が出るまでストレスがたまる、主治医は迅速な診断や治療の決定ができないなどの悩みがありました。

しかし、このネットワークでは新世代の顕微鏡バーチャルマイクロスコープを使い、わずかな時間で作成したバーチャルスライド(写真撮影・デジタル化したもの)を用いて病理医が診断できます。データを共有しながら二人の病理医がモニター上でチャットしながら合意診断としての診断書発行も可能となりました。手術中に病理検査を行い、迅速な診断を行うことも可能になるなど、患者にとっても医師にとっても、治療日数の短縮や治療方針の早期決定、早期開始など大きな効果が期待できるものです。今やがんは二人に一人が罹患するといわれています。高齢化が進むにつれて7割になるという予測もあります。しかし、検診などによって早期発見すれば、手術療法、化学療法、放射線治療等によって克服できる病気となってきました。県民に対するがん撲滅に向けた啓発や成人病センターなどがん治療拠点病院における最新医療の導入により、滋賀県でもがん対策に全力を挙げていきたいと思います。県議会では現在がん対策基本条例(仮称)を議員提案で成立させることを目指して、各会派で構成するワーキンググループで調査研究しています。

県立成人病センターで使用されている高精度の放射線治療機器です。

 

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