さる、24日に開催された県議会臨時会で役員改選があり、私は防災・エネルギー対策特別委員長と関西広域連合議会議員に就任することになりました。防災やエネルギー対策は原子力防災対策を含めて、大変重要な県政課題ですし、関西広域連合では道州制や北陸新幹線の敦賀以西ルートの問題などで滋賀県としての主張をしっかりしなければなりません。多くの県民のみなさんの思いをしっかり把握して参ります。
さて、次のくだりは米原万里さんの著書「発明マニア」(文春文庫)からの抜粋です。妻の読んでいた本を覗き込んで見つけたフレーズです。
「タイの象使いは、象が言うことを聞かないと、耳の付け根に斧を打ち込む。象はあまりの痛さにたちどころに聞き分け良くなるという。そして、足元に落ちた斧をわざわざ長い鼻で拾って、象使いに差し出すらしい。もっと打ってとでも言うように。
日本の大企業は空前の収益をあげているというのに、さらなるリストラを奨励し、中小企業や地方経済の不景気を促進し、福祉予算を切り捨て、健康保険制度、年金制度を改悪するどころか、その財政基盤を破壊する。これほどまでに露骨な弱肉強食政策を果敢に推し進める小泉内閣に喜んで投票する国民というのは、痛々しくて、何だかタイの象を彷彿させる。」
小泉内閣のころの作品ですが、その後、日本が大格差社会となり、多くの国民の皆さんが苦しんだことはご承知のとおりです。
今の政治状況を見ると、また同じことを繰り返すのではないか、と危惧しています。憲法改正をしてでも国防軍を作ろうとする。生活保護基準の切り下げにより最低賃金をはじめ、国民の生活に広く悪影響を与えるのではないか。物価上昇に賃金や年金がついていけるのか。金融緩和でお金の流通量を2倍にしたり、財政規律を無視して過大な公共投資をするアベノミクスは危険がいっぱいと感じていますが、内閣支持率は今も7割を超えています。
円安株高への国民のみなさんの期待に水を差すつもりはありませんが、一年後の日本がとても心配です。