2月3日(日)「過去の経験に基づく経済政策を。」

昨日、林久美子参議院議員の新春の集いが大津市で開催され、出席しました。冒頭に記念講演があり、藤井裕久元財務大臣の貴重なお話をお聞きする機会を得ました。先の総選挙で引退されましたが、これまでの政界の歴史を熟知された重鎮です。その豊富な経験と高い識見に基づくご講演は短時間ではありましたが、心に残るものでした。そうした長い経験に基づき、現在進められている安倍政権の経済政策に対して大きな懸念を示されました。

特に、需給バランスを守る政策でなく、金融に手をつけることや日銀の独立性を危うくする手法には大きな危険をはらみます。かつての経験からインフレ政策の危険性も指摘されました。統制するインフレ政策と言いながら、結局は統制できずに最終的には人の心を荒廃させる心配があるともおっしゃいました。そして、インフレ政策は年金生活者やサラリーマンに大きな打撃を与えることになると思います。

もう一点、安倍政権で心配なのはその「日本至上主義」と言えるような考え方であると指摘されました。日本が日本のことを大切に思うのは当たり前と言われる方もあると思いますが、かつての日本がそうした考えの中で世界の中で孤立し、あの悲惨な第二次世界大戦に突入したのはそう遠い過去ではないはずです。かつて、幣原喜重郎氏が弱腰外交と批判されたが、その後の歴史を見れば幣原氏が正しかったという話もされました。

世界の中で共生しながら日本の発展と日本国民の幸せを追求する、このことの実現のために日本がすべきことを決断していくのが正しい政治だと思います。短い時間でしたが、多くの示唆に富んだお話でした。

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