1月31日(木)「会派視察研修。」

今日で1月が終わります。年賀の行事もほとんど終わり、いよいよ2月定例会に向けて活動が始まります。自民党の政権復帰で大きく政策変更が行われる中で、経済再生や雇用の確保、子育て支援などの重要課題に対応するための新年度予算の審議も行われます。こうした中で、県が検討中の「新生美術館構想」や再生可能エネルギー問題、県と市町の関係調整、救急医療体制などの先進地を28日から30日にかけて会派で視察して参りました。

まず、新生美術館構想に関連して、すでにリニューアルされた広島県立美術館の状況と平成27年に完成予定の大分県立美術館の構想について聴取してきました。どの美術館も課題は入館者増加対策です。立地、観光事業との連携、まちづくりとしての取り組みなどに合わせて、それぞれ他の文化施設との連携など工夫をされていますが、数字で結果を出すのは大変です。収蔵品を充実させるには大きな予算も当然必要になります。滋賀県の県立美術館の新しい構想については現在の文化ゾーンの整備も含めてより慎重な議論が必要であると思います。

再生可能エネルギーの利用では九州電力の八丁原地熱発電所と鯛生小水力発電所を視察してきました。八丁原地熱発電所は2基で11万キロワットを出力する世界でも有数の発電所です。地熱発電は貴重な純国産エネルギーの有効利用をしているもので電源多様化の一翼を担っています。地熱利用はどこでもできるものではありませんが、半永久的に安定して利用できる再生可能エネルギーであることから今後の開発が期待されます。鯛生の小水力発電は砂防ダムから取水して導水路から発電所へ導くもので、新たなダム建設などを必要としないもので、滋賀県でも設置可能な発電所です。最大出力は66キロワットと小規模ですが、年間500万円余りの経済効果があります。鯛生金山観光事業とのコラボレートですが、発電事業はまちおこしにも一役買っています。費用対効果の面では大きな課題もありますが、こうした事業の積み重ねが原発に頼らない社会への一歩につながります。

佐賀県庁では県と市町との連絡調整会議の仕組みについて説明を受けました。どこでも取り組んでいることだと思いますが、滋賀県では流域治水計画や福祉事業の分野で県と市町の調整がうまくいっておりません。どちらかが一方的に悪いというわけではありませんが、こうした調整不足で県民に不利益があってはなりません。県・市長会・町長会がしっかり連携して大所高所からの判断がなされるように期待します。

また、佐賀県庁では「99さがネット」という新しい救急医療情報システムの説明を受けました。これは全国初の救急現場で見える化を実現し、救急患者のたらいまわしなどの医療崩壊を防ごうというものです。佐賀県では県内すべての救急車にiPadを配備して、今受け入れができる病院、他の病院の受け入れ状況、救急搬送の発生状況をリアルタイムに確認できます。しかも、情報は消防士が現場で入力しているので最新の情報が得られます。総務大臣表彰を受けたこともある優れたシステムで、搬送時間も確実に短縮されるなど成果が表れています。医療関係機関や消防本部などを説得しながらシステムを作り上げた佐賀県の職員さんに心から敬意を表するとともに、滋賀県での採用も強く働きかけていきたいと思います。

2基で11万キロワットを発電する九州電力の八丁原地熱発電所。

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