大飯原発再稼動問題で暫定安全基準の是非や電力需給問題などが大きくクローズアップされている。事故が起こった場合大きな影響を受ける地元福井県のみならず、30キロ圏内にかかる滋賀県や京都府が再稼動判断行程が拙速ではないかとの懸念を示すのは当然である。滋賀県議会でも2月定例会で「福島原発事故の原因究明がされない限り、大飯原発の再稼動はしないこと」という趣旨の請願を全会一致で採択しており、関連の意見書も国に送付されている。
もちろん国民生活や経済への影響を考えるのは政府の役割であるが、今の国民のニーズは不便さやお金より、将来の孫子の時代まで継続しなければならない安心安全の問題である。社会保障や税の一体改革で消費税増税をお願いしているのはまさに将来の孫子の時代に借金を先送りしないことが大きな目的であることを考えれば、こうした動きで果たして将来世代に対して責任が持てるのか。疑問に感じている。
今回の決定過程においても関係閣僚の議論だけが報道されており、政調会をはじめ党内議論も全く見えてこない。近畿の水がめである琵琶湖を有し、事故になれば大きな影響受ける私たち滋賀県で政治活動をしている地方議員が全く関与しない間に議論が進むことに対していら立ちも感じている。国民や地元の理解という言葉がむなしくならないように、しっかりした説明責任を求めたい。電力問題の影響は国民生活や経済活動など広範囲に及ぶことから私は直ちに原発を廃止すべきとは言わないが、福島の事故を考えれば再稼動に対してはより慎重に、何よりも影響を受ける3府県や国民のみなさんの理解が必要なことは当然でしょう。