今日は昨日提案された自民党県議団による給与減額条例について民主党から江畑議員が、対話の会からは沢田議員がそれぞれ質疑に立った。議員提案者である川島議員からは民間給与が上がらない現状の中で警察職員や教育職員も含む県職員の給与は上げるべきでないという主張が繰り返されたが、本給手当も含めて今回も大きな給与削減案が当局から労使交渉を経て提案されている。自民党は議員団は今回提案されたのは地域手当を現状の5.7パーセントに据え置くというものであるが、そもそも地域手当の意味が自民党議員団はわかっていない。
これはかつて公務員給与を大幅に削減した際に民間給与との調整をするために設けられた手当で滋賀県では人事委員会の勧告に基づき7パーセント以内で労使交渉で決定されてきた。ちなみに国は大津の場合10パーセントである。今回も本給のカット幅を引き上げる中で地域手当の支給率も労使で合意したものであるが、自民党議員団はこうした給与の仕組みを理解しないままに政局をもって労使の交渉に踏み込んできたものであり、まさに憲法、労働基本法などの法令、人事委員会勧告制度をないがしろにするものである。この点が質疑の中でも明らかになった。自民党議員団は条例制定権は議会にあると主張するが、これは議会の権限の逸脱するものであり、このような非常識な提案をするのは滋賀県の自民党だけである。公務員と鋭く対決している大阪の橋本知事でさえ、労使交渉を経たうえで知事が提案して大阪府職員の給与カットをしたものである。
この理不尽な議案が自民党によって可決された場合の再議を求められた嘉田知事は、9年間にわたって給与の独自カットがなされる中で少数精鋭で県民のために汗を流している警察職員や教育職員を含む県職員に申し訳ない、慎重な審議をお願いしたいと答弁された。
今回の提案については自民党県議団内部で、どの削減率で提案するかもめたようであるが、この点でも確たる理念によるものでなく、公務員に厳しい提案をすれば、有権者の関心を得られるという政局によるものであることが推測される。こうした主張はかつて小泉政権下で国民の格差が拡大が状況と同じく、民間で働く人達の賃金抑制にも大きく影響することは明らかである。23日の閉会日には自民党の賛成多数で可決されるのであろうが、働く仲間が結集してこうした暴挙に対抗していきたい。嘉田知事に対しても断固たる決意で対応されることを期待する。